Apacheとは最も人気の高いWebサーバーソフトウェアであり、大規模な商用サイトから自宅サーバーまで幅広く利用されています。単にApacheと称されることが多いですが、正式にはApache HTTP Serverと呼びます。
WebサーバーにおけるApacheのシェアは60%以上と言われており、LinuxやFreeBSDに代表されるUNIX系OSの他にWindowsやMac OSにも対応しており、幅広いプラットフォームで利用できます。
Apacheはフリーソフトウェアとして無償で公開され、商用利用も無償で行なえます。Apache Licenseの下でソースコードが公開および配布されており、一定の条件(Apacheライセンス)を満たせば、改変や再配布が可能です。そのため、Apacheから派生したソフトウェアは多数存在しています。(Oracleの「Oracle HTTP Server」やIBMの「IBM HTTP Server」もApache HTTP Serverをベースに各ベンダーがカスタマイズした製品です。)
Apacheの利用用途
ApacheはHTTPでコンテンツを配信するWebサーバー(HTTPサーバー)としてだけでなく、次のような用途にも活用できます。
用途 | 説明 |
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HTTPSサーバー | コンテンツの暗号化やサーバークライアント認証に対応したHTTPS(Hypertext Transfer Protocol over Secure Socket Layer)を利用し、データの盗聴やサーバーの詐称・なりすましを防ぐことができます。 |
ファイルサーバー | WebDAV(Web-based Distributed Authoring and Versioninng)というプロトコルを使ってHTTPベースのファイル共有を行なえます。ユーザー認証と組み合わせることもできます。 |
Webアプリケーションサーバー | クライアントの要求に応じた動的コンテンツを作成するようなWebアプリケーションの実行基盤として利用できます。PerlやRubyスクリプトなどで作成したCGIやPHPを実行することが可能です。 |
HTTPプロキシサーバー | クライアントの代理応答を行なうフォワードプロキシや複数のサーバーを1台のプロキシサーバーで代理応答するような、リバースプロキシとしてApacheを利用できます。 |
Apacheの持つ機能は実に豊富で、実質有料となるMicrosoft IISなど、他の市販製品をも凌駕するほどです。それが無料で使えるので、これを使わない手はないわけです。